Valveをめぐる大規模なデータ漏洩が明らかになった。流出したのは2003年から2013年までの内部ビルドやデータ、その総量は実に12TBにのぼり、すでに「Steam2 Teraleak」と呼ばれている。今週、データマイナーのGabeFollower氏がこのアーカイブを発見。パスワード保護すらされていない、Valveの旧配信基盤「Steam2」に紐づく公開エンドポイントに、そのまま置かれていたという。Steam2は2013年のSteamPipe移行に伴って廃止された古いインフラだ。YouTuberのScolcer氏はこう言い切った。「ハッキングは一切なかった。これは100%Valve側のミスだ」。高度な不正アクセスがあったわけではなく、単に鍵をかけ忘れた古いサーバーが放置されていただけ、というのが実態だ。
Valveは1996年に創立され、その後「ハーフライフ」シリーズや「Portal」などのヒット作を次々と世に送り出してきた。これらのタイトルは単なるゲームにとどまらず、ゲーム業界の方向性をも変えるほどの影響力を持っている。今回のリークで最大の目玉となっているのは、「Weaponizer」と呼ばれる完全にモデリングされた武器アセットだ。これは『Half-Life 2: Episode 3』の初期ビルドから抜き出されたものとみられ、ファンがこの20年近くで目にした中で最も具体的な、Episode 3が実在した証拠と言える。
『Half-Life 2: Episode 3』は長らくファンの間で待ち望まれていたが、開発中止の噂が流れる中、詳細は不明のままだった。2020年の『Half-Life: Alyx』発売でシリーズ復活への期待は高まったものの、正式な続編はいまだ実現していない。今回の流出はEpisode 3の復活を確約するものではないが、少なくとも「Weaponizer」というアセットがかつて実在したことは裏付けている。
リークがもたらす影響とは
Episode 3関連の情報以外にも、アーカイブには具体的な内容が数多く含まれている。ボツになったブレットタイム要素を残した2009年7月時点の『Portal 2』ビルド、カットされたGLaDOSのボイスライン、2008年6月時点の『Left 4 Dead』ビルド、そして『Counter-Strike: Source』を改造したベースで作られた初期の『Counter-Strike: Global Offensive』ファイルなどだ。さらに目を引くのが「F-Stop」という、中止になった『Portal』の前日譚プロトタイプ。ポータルガンの代わりに、環境内のオブジェクトを操作するためのカメラを使うという内容だったという。興味深いことに、今回のリークはValve作品だけにとどまらない。『ソニック4 エピソードII』や『Fallout: New Vegas』、『Alan Wake』、『Dragon Age: Origins』といった他社タイトルのベータビルドも同じインフラ上に保管されており、まとめて流出してしまったようだ。
Valveは現時点で公式なコメントを一切出していない。GabeFollower氏によれば、12TBのアーカイブを一通りカタログ化するだけでも最低数日はかかるとのことで、今後さらなる詳細や新たな驚きが明らかになる可能性が高い。今回の一件は、Valveがレガシーインフラのセキュリティ管理を今後どう見直すのかという課題も浮き彫りにした。ファンの間では発掘された「幻の要素」への興奮と、こうしたデータ管理の甘さへの不安が入り混じっており、ゲーム業界全体がValveの今後の対応を注視している。
